意外と簡単!介護用手すりをDIYで取り付ける方法

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こんにちは!住まいる西ちゃんです!

 

介護リフォームについて「手すりの取り付け」について多くのご相談をいただきます。取り付けのための費用をお伝えすると「えっ!そんなにかかるの?」と驚かれる方も多くいらっしゃいます。そんな方にはご自身でも設置できる方法をお伝えしています。

 

この記事は、こんなお悩みを解決します

・親の足腰が弱くなり、手すりが必要になった。

・手すりの設置費用が思ったより高かった。

・自分で取り付けようと考えているけど、具体的な方法が分からない。

・DIYならどのくらいの費用でできるか知りたい。

 

本記事ではインパクトドライバーを使ったことがあり、日曜大工くらいのことができるくらいの経験をお持ちの方に向けて、介護用手すりの簡単な取り付け方法についてお伝えします。

 

大工仕事が初心者で自分にはできないな〜という方は、こちらの記事をおすすめします。

「簡単に設置できる介護用手すり10選」(これから執筆予定)

「プロに頼んだらいくらする?介護用手すりに必要な費用」(これから執筆予定)

 

手すりの設置は、考え方さえしっかりしていればDIYでも可能

 

手すりの取り付けはポイントさえ押さえておけば意外と簡単です。

ただし、この記事で全ての家の条件にお応えできる記事ではありません。

あくまでも取り付けはご自身の責任の範囲で行ってくださいね。


[目次]

1 介護を受ける人の身体的特徴やクセのチェック

2 手すりを取り付ける壁の素材をチェック

3 部材の選定・買い出し

4 取り付け場所ごとの注意点

 -廊下・玄関

 -トイレ

 -お風呂

5 取り付け方法

6 プロに頼む場合はどのくらいかかる?


では、さっそく見ていきましょう。

 

1. 介護を受ける人が理想とする取り付け位置を見極める

 

手すりの取り付け位置を見極めるための2つのポイント

 ① 介護を受ける人のクセを見る

 ② 介護を受けるご本人に設置してほしい箇所を聞く(決めつけない)

 ③ 実際に棒状の何かを掴んでもらって高さを測る

 

「誰が」その手すりを掴むのか?によって、どの位置に取り付けなければならないかが変わってきます。もちろんこの場合は、介護を受ける方ですよね。介護を受ける方がどこに、どの高さに付いていることが理想なのかを見極めるためには、身体的特徴と、クセをしっかり捉えることが大切です。

 

① 介護を受ける方のクセを見る

まずは日常でどのような箇所で不便を感じられるか観察しましょう。

玄関の段差でしょうか?トイレの立ち上がりでしょうか?はたまたお風呂でしょうか?

 

意外と玄関は下駄箱に手をかけることができるので、こちらが必要だと思って取り付けても使われなかったりします。

 

また、ご本人の利き腕が右か左かによってもとりつける場所が変わってきます。

特に段差では下りの時に力を受ける手すりが必要となります。なので、段差や数段の階段がに設置する場合は、上りで考えるのではなく、下る方向から見て、利き腕の位置に取り付けましょう。

 

② 介護を受けるご本人に設置してほしい箇所を聞く(決めつけない)

ついつい、介護者の方が「ここに手すりあった方がいいよね〜」と話を先導して、介護を受ける側の人は「そうね〜・・・(ほんとはそうでもない)」と言って、話が進んでしまい、使われない手すりが誕生します。。。残念。

 

そうならないためにも、介護を受ける方に「ここに手すりはいらないよね?」と聞いてみてください。

 

そうすると、本当に必要な場合は「いやいや、そこは手すりがいる」とはっきり言われます。

 

重要なのは本人に考えてもらうことです。

 

ただし、認知症が進行していて、ご本人の意思が確認できない状態の場合は、ケアマネージャーさん、PT(理学療法士)さん、OT(作業療法士)さんも一緒になって決めていくことをオススメします。

 

③ 実際に棒状の何かを掴んでもらう

 

少し腕が曲がるくらいが一番力が入ると言われています。伸びきっていたり、曲がりすぎると力が入りにくくなります。

 

一般的に推奨されている手すりの高さは75cmとされていますが、もちろん人により身長が違います。つまり、人によって力が入る高さが違うということですね。

 

介護を受ける方の身長に合わせて手すりを設置することが重要です。

 

取り付ける高さを割り出すために、棒状の何か(私は箒や掃除機の筒の部分を使います)を、ご本人に掴んでいただき、一番力の入る高さをご本人に教えてもらいます。

 

被介護者が入院等でご自宅にいない場合は、一時帰宅という制度がありますので、それを使ってご自宅で確認されるのがベストです。

 

2. 手すりを取り付ける壁の仕上げ素材をチェック

取り付ける位置が見極められたら続いては壁の素材をチェックします。素材によってどう取り付けるかが変わるため、チェックポイントをお伝えします。

 

住宅の壁の仕上げ材は大きく分けて二つ(ベニヤ / 石膏ボード)

表面の板材が9mm以上のベニヤでしょうか?それとも石膏ボードでできていますか?

 

素材の見極めるポイントは、画鋲で刺して刺さりにくい場合はベニヤ板。ブスッと刺さる場合は石膏ボードと思ってもらって大丈夫です。

 

9mm以上のベニヤであれば、壁に直接ビスを打ち込んで手すりを固定できます。

 

しかし5mm以下のベニヤの場合は(手で押してたわむようであれば5mm以下のベニヤ板と考えられます)直接壁材に取り付けられません。補強板と言われる板材が必要になります。

 

また、石膏ボードの場合も、釘を打ち込めない素材のため、必ず補強板が必要です。補強板については次の部材の選定で詳しくご紹介します。

 

お風呂の場合、タイルかユニットバスかによって変わります。詳しくは下記の「箇所別ポイント」をご覧ください。

 

3. 部材の選定・買い出し

必要な部材

・手すり

・支持金具

・ビス

・補強板

・どこ太くん

・工具(インパクトドリル or ドライバー)

 

箇所別、オススメする手すりの素材

 ◇室 内:木製 / 樹脂製

  (室内でステンレスなどを使うと冷たいため温かい素材がオススメ)

 

 ◇風呂場:FRP製

  (木製だと腐ってしまうため、腐らないプラスチックでできたFRP製がオススメ)

 

 ◇屋 外:アルミ製 / ステンレス製

  (屋外は風雨を想定して、耐性が強いアルミ製やステンレス製がオススメ)

 

支持金具

手すり部分と壁を繋ぐ金具の部分です。手すりとセットで販売されているものもありますので、近くのホームセンターでご覧になってみてください。

 

補強板

壁の素材が弱い場合、補強板が必要になります。

補強板とは15mm程度の横長の平板です。

https://www.monotaro.com/g/01015090/

 

壁の仕上げ材(表面の板材)が5mm以下のベニヤや石膏ボードなどの弱い素材場合、下地に補強板を打ち付けます。下地とは、仕上げ材を取り付けている縦桟横桟ないし柱です。

 

どこ太くん

補強材を打ち込む下地(柱や縦桟横桟)を探すには、どこ太くんがオススメです。(プロも使ってます。)壁に細い針を刺し、縦桟横桟を探し出す工具です。

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%AF%E6%B8%AC%E5%AE%9A-%E4%B8%8B%E5%9C%B0%E6%8E%A2%E3%81%97-Smart-25mm-78585/dp/B00E01R4MC


 

どこ太くんの使い方はこちら

壁の下地探しの方法!下地センサーとどこ太の使い方

 

4. 取り付け方法

では、いよいよ手すりの取り付け作業です。

 

・取り付け壁の板材が9mm以上の場合

・取り付け壁が5mm以下の板材、もしくは石膏ボードの場合

 

に分けてご紹介します。

 

取り付け壁の板材が9mmの板材の場合

 

この場合は直接ビスを壁に打ち込めます。

「1:介護を受ける人が理想とする取り付け位置を見極める」で見極めた取り付け箇所に、手すりを仮で当てて、支持金具がくる箇所を割り出し、ビスを打ち込む場所を決めます。

 

支持金具を壁にあて、ビスを打ち込み固定します。

支持金具と手すりをビスで固定します。

 

壁の素材が5mm以下、もしくは石膏ボードの場合

 

まずは、「1:介護を受ける人が理想とする取り付け位置を見極める」で定めた取り付け箇所の壁材の裏側に隠れている縦桟横桟をどこ太くんで探します。

 

設置したい箇所に手すりを仮で置いて、支持金具がくるポイントを割り出します。

支持金具がくるポイントに補強板を敷き、補強板と縦桟横桟が重なる箇所にビスを打ち付けます。

 

その補強板がしっかり固定できたら、手すりの支持金具をとりつけます。

支持金具に手すりを取り付ければ完成です!!

 

\おつかれさまでした!/

 

5. 取り付け箇所ごとの注意点やお役立ち情報

・廊下・玄関

・トイレ

・お風呂場

・階段

 

– 廊下・玄関

 

手すりは壁につけるだけではなく、床から支える手すりもあります。

(画像ひっぱってくる)

 

-トイレ

 

トイレで手すり取り付ける場合、障害物が多くあります。

ウォシュレットリモコン / トイレットペーパーホルダー / タオルかけ、などなど…

 

それらの場所を移動してもいいんですが、もともとの場所にネジ穴やクロスの日焼け後が残ったりするため、移動が難しいことが多いです。

 

では、どちらを優先しましょうか?

介護を受ける方が望む場所につけますか?

 

介護を受ける方にとっては、トイレットペーパーを引き出したり、リモコンを操作することよりも、立ち上がる行為の方が重要です。

 

私西ちゃんは、被介護者にとって使いやすい空間になることが第一だとは思っております。ですが、ビスの跡や日焼け跡も残ったりするため、同居者との話し合いの上、設置場所を決めていただくのがどちらも気持ちよく使えるようになるためにも大事ですね。

 

-お風呂

 

お風呂場は2パターンあります。

 ①壁と床がタイル(昔ながらのお風呂)

 ②ユニットバス(浴槽・壁・床が一体型)

 

①タイルでつくられたお風呂

比較的場所を選ばずに設置できますが、ただし、下地の強度の確認が必要です。

準備する部材に違いはありますが、取り付け方法は、4取り付け方法と同じです。

 

タイルに設置するのに必要な部材

・専用のキリ(下穴用)

・専用のビス(モルタルコンクリート用/ステンレス製)

・手すり本体は防水のものを。FRP製がオススメ。(木製手すりは腐食するのでNG)

 

②ユニットバス(浴槽・壁・床が一体型)

ユニットバスの場合、壁が薄いため、市販品の手すりはとりつけられません。

ユニットバスは「後付けの専用の手すり」があります。

ご自宅のユニットバスのメーカーを確認し、メーカー推奨のものを使いましょう。

 

*ご自宅のユニットバスのメーカーと同じ製品を使いましょう。純正商品以外を使った場合、メーカーは保証が効かなくなりますので、ご注意くださいね。

 

もしも、ご自身のユニットバスのメーカーがわからない場合は、水栓と浴槽などの特徴のある箇所の写真を撮影して、店頭のスタッフさんに尋ねたら確認できます。

 

取り扱い説明書の手順通りすれば問題ないですが、一度失敗すると穴が開きっぱなしになり防水性がなくなってしますので、注意が必要です。

 

念のために、ユニットバスメーカーショールームでお尋ねになるのがオススメです。

 

<鹿児島の主なユニットバスメーカーのショールーム>

東開町に集まっているので、ここで見て回るのもいいかもしれないですね。

 


【リクシル】

https://www.lixil.co.jp/showroom/kyushu/lixil_kagoshima/

 

【TOTO】

https://showroom.toto.jp/showroom.aspx?sr=116

 

【タカラスタンダード】

http://www.takara-standard.co.jp/showroom_search/


 

-階段

階段は、折り返し部分(踊り場など)の部分で手すりの高さが合わなくなるため、素人では失敗しやすいです。プロであっても支持金物の高さを割り出すのに苦戦するくらいです。

 

ここは安全面も踏まえて、思い切ってプロの大工さんに相談しましょう!

 

階段は降る時の方が危険です。なので、壁に何かしらの制限がない限り、降りる時を向いて利き腕の側に取り付けてもらいましょう。

 

6. ちなみに、介護用手すりの取り付けはプロに頼むとどのくらいかかるの?

手すり自体の価格や取り付け箇所にもよりますが、廊下のような何も障害物がないところに、1本3000円の手すりをつける場合は、18,000円〜28,000円ほど(一本あたり約23,000円)です。3本だと24,000円〜28,000円ほど(一本あたり約8,500円

 

なぜ1本と3本で費用が違うかというと、費用の大部分は、大工さんの人件費です。1日だと15,000〜19,000円/人です。だいたい1日に取り付けられる手すりの本数は現場の状況にもよりますが、多くて3本ほどです。なので、1日にまとめて3本つけてもらう方が、1本あたりの費用は抑えられるのでお得ということですね。

 

じゃあ、もったいないからと、3本余計なところにつけてしまう(笑)でも被介護者はその2本は使わない。(それこそもったいない!)

 

そういった「失敗あるある」を西ちゃんは相談をお受けした際、丁寧にお伝えします。

 

そんな西ちゃんはいつも3つのことを大切にしながらにお客様と向き合っています。

 

 ① 介護量の軽減・介護からの解放

 ② 介護を受けられるご本人の精神的自立・意欲の拡大

 ③ 家族関係の円滑化

 

ただ手すりを取り付ける作業ではなく「介護を受ける側、介護する側にとって快適であること」「将来を見据えた介護プラン」をご提案しています。

 

手すりの取り付けに限らず、介護全般のことを相談されたい場合でも、お気軽にご相談ください。

 

まとめ

さて、ここまで手すりの取り付けについて、お伝えしてきましたが、なかなか大変な作業ですね。(自分でも書いていて大変でした^^;)こういった作業が大好き!という方にはオススメです。

 

とはいえ、一から工具を買って、部材を準備して、取り付ける箇所を割り出して・・・全部を一人でやるのは大変です。

 

プロに頼むことも一つの選択肢として捉えて「自分でできること」と「お金を払ってプロに頼むこと」を天秤にかけて、ご自身が納得する選択をしてくださいね。

 

ご自身が納得の上で依頼しましょう!

 

最後に

これを言ったら元も子もないですが(笑)介護の究極の形は、自らの身体を鍛えることです。お子様やお孫さまと元気で旅行に行きたい!のであれば、筋肉を鍛えましょう^^

 

足腰鍛えたら手すりは不要ですよ^^

https://www.facebook.com/conditioninggymtry/

 

それでは、西ちゃんでした〜!

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